2016年12月14日

折り紙(その2)

瀬名秀明さんが2年8ヵ月ぶりに出した最新作『この青い空で君をつつもう』の帯には「青春ラブストーリー」と銘打たれている。しかし個人的には「折り紙小説」と呼んでしまいたい。それくらい、怒涛のように折り紙が出てくる。おかげで読み終わったら無性に折り紙をしたくなった。特に作品中で最も登場回数の多い「ナマズ」を折ってみたくなる。そこで何十年かぶりに正方形の紙を手にした。やってみると途中までは「ツル」とほぼ同じで、わりとスイスイ折れる。しかし最後に大きな難関が待ち受けており、洋紙ではまず不可能だと悟った。作品中にも和紙でなければだめだと書かれているが、全くその通りである。しかし、わざわざ和紙を買い求めるのは、さすがに面倒だと思って、試しにハンカチで折ってみた。すると形を保つのに苦労はするものの、最後の部分は難なくクリアできた(正確には折り布だが、まあよしとする)。そんなことをやりながら「ああ、瀬名さんは主人公と同様、自分で山ほどの折り紙を折りながら、これを書いたんだろうなあ」という感慨を抱いた。

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なお作品中に、ちょっとだけ出てくる「ミウラ折り」は、航空宇宙工学者で東京大学名誉教授の三浦公亮氏が考案したものだ。折り紙(その1)に載せた雑誌の表紙で何かを折っているのが、その三浦教授である。

先輩作家の瀬名さんからは、ひとかたならずお世話になった。色々なことがあって連絡をとることもできなくなってしまったが、いつか再びお目にかかって、折り紙のことをじっくり語り合ってみたいものである。
posted by 藤崎慎吾 at 22:31| Comment(0) | 日記
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