2017年06月01日

『風待町医院 異星人科』第二話冒頭

第二話「路地裏の裏の路地と、幽霊喫茶店」
 例えば、こんな体験をしたことはないだろうか。
 たまたま近所を歩いていたら、今まで気づかなかったところに小綺麗な食堂を見つけた。ふらっと入って、食べてみたらおいしかった。
 何日か後にふと思いだして、また足を運んでみる。すると記憶していた場所に店はない。
 潰れているわけではなく、空き地になっているというのでもなく、全く別の古いビルや家が建っている。最初から、そこに食堂なんか存在していなかったかのように−−。
 一筋まちがっていたかと平行した道をたどってみても、やはり見当たらない。うろうろした挙句、「夢の中の出来事だったのか」と首をひねる。しかし食べた料理の味は、しっかりと覚えている……。
 風待町では、たまにそういったことが起きる。まだ一〇歳だったころに、僕はその理由を知ってしまった。

DSC_2492.jpg

DSCN0526 (1).jpg

posted by 藤崎慎吾 at 19:57| Comment(1) | 日記