瀬名秀明さんから、久しぶりに本をご恵贈いただいた。ジョルジュ・シムノンの「一般小説」である『月射病』。瀬名さんはシムノン研究者としての「監修」となっている。この本は今後出版されていく「シムノン ロマン・デュール選集」の第1弾らしい。


シムノンは「メグレ警視」シリーズで有名だが、これまで読んだことはない。本書もまだ瀬名さんの解説を拝読しただけなのだが、そこに本書は「シムノン版『闇の奥』である」と書かれていて「おっ」と思った。ジョゼフ・コンラッドの小説はもちろん、フランシス・フォード・コッポラ版『闇の奥』である『地獄の黙示録』も含めて、そのての話が大好きな自分としては興味津々。『月射病』というタイトルも原書の直訳ではなく瀬名さんの発案のようだが、意味深で秀逸だと思う。